住宅の外壁塗装で伸ばしたはしごを移動中、頭上の電線に触れるか近づいて感電(英国・死亡)
海外の建設事故 事例集|型:感電
| 発表 | 2026年10月6日 英国 安全衛生庁(HSE)/裁判の結果の発表 |
|---|---|
| 事故の日 | 2024年7月29日 |
| 国・地域 | 英国(発表にある地名は市・村の名前なので載せない) |
| 現場 | 住宅の外まわりの塗装 |
| 結果 | 見習いの塗装工1名が死亡、同僚1名がやけど |
| 段階 | 判決が出ている(個人事業主が違反を認めた) |
何が起きたか
- 家の妻側(切妻の壁の側)で、見習いの塗装工が同僚と2人で、いっぱいに伸ばしたはしごを動かしていた。
- その途中で、はしごが頭上の電線に触れたか、放電(アーク)が起きるほど近づいた。
- 見習いの塗装工は亡くなり、同僚は手・足・腹にやけどを負った。
当局が指摘した原因・違反
- HSE の調査で、高所作業がきちんと計画されず、監督されず、安全に行われていなかったとされた。
- 選んだ機材と作業のやり方が、この作業に合っていなかった。
- 頭上の電線の近くで作業する危険が、十分に見積もられず、抑えられてもいなかった。
- 作業した人たちの教育と力量にも問題があった。
- 最初の作業の計画は、移動式の足場(タワー足場)とはしごで外壁を塗るものだったが、その計画も適切・安全ではなかった。実際には計画から外れ、ずっとはしごで作業していた。このやり方は事業主が認めていたが、これも適切・安全ではなかった。
- HSE は、電線の近くでの作業が避けられないときは、電気を止める・合った機材を使う・安全な距離を保つなどで危険をなくすか減らす必要がある、としている。
- 事業主(個人事業主)は高所作業規則(Work at Height Regulations 2005)第4条(1)(高所作業の計画・監督・安全な実施を雇い主に求める条項)の違反を認め、拘禁16週間・執行猶予12か月と、訴訟費用10,645ポンドの支払いを言い渡された(2026年10月6日)。
明日の朝礼で使える一言
ここからは当局の指摘ではなく、一般的な安全の確認事項です。
- はしごや長い物を動かす前に、上を見よう。 電線がどこを通っているかを、作業の前に全員で確かめる。
- 長い物は、縮めてから・寝かせてから運ぶ。 伸ばしたまま立てて動かさない。
- 段取りが変わったら、止まって話そう。 「足場の予定がはしごになった」など、計画と違うやり方になったら、危険をもう一度見直してから始める。
日本の決まりで関係する所
労働安全衛生規則(e-Gov 法令検索で原文を確認:2026-10-09、2026年10月1日施行の版)。当てはまるかは電線との距離など現場の条件による。
- 第349条:架空電線などの充電電路に近い場所で、工作物の建設・解体・点検・修理・塗装などの作業をして、身体などが触れたり近づいたりして感電の危険があるときは、次のどれかの措置をとる。①電路を移設する ②感電を防ぐ囲いを設ける ③電路に絶縁用防護具を付ける ④それらが著しく難しいときは監視人を置いて作業を見張らせる。
出典とライセンス
- 元の発表:HSE の裁判の結果の発表(2026年10月6日。元の見出しには関わった人の続柄が入っているため、ここには写さない)https://press.hse.gov.uk/2026/10/06/painter-and-decorator-sentenced-after-stepson-electrocuted-on-job/
- 英国の条文:Work at Height Regulations 2005 regulation 4 https://www.legislation.gov.uk/uksi/2005/735/regulation/4
- 日本の条文:労働安全衛生規則 https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032
- Contains public sector information published by the Health and Safety Executive and licensed under the Open Government Licence v3.0(https://www.nationalarchives.gov.uk/doc/open-government-licence/version/3/ )。日本語の要約は当方が作成したもので、HSE が内容を認めたものではありません。写真・図は載せていません。